teacup. [ 掲示板 ] [ 掲示板作成 ] [ 有料掲示板 ] [ ブログ ]

 投稿者
  題名
  内容 入力補助画像・ファイル<IMG> youtubeの<IFRAME>タグが利用可能です。(詳細)
    
 URL
[ ケータイで使う ] [ BBSティッカー ] [ 書込み通知 ] [ 検索 ]

スレッド一覧

  1. ブランド偽物(0)
  2. ブランド製偽ウェブサイト [2chbag.com](0)
  3. hotブランド (0)
スレッド一覧(全3)  他のスレッドを探す 

*掲示板をお持ちでない方へ、まずは掲示板を作成しましょう。無料掲示板作成


珊瑚(さんご)さんの世直し 02 リベンジ

 投稿者:真城 悠  投稿日:2015年10月 5日(月)18時04分11秒
返信・引用
   その少女は青い顔でガタガタと震えていた。

 落ち着きなく周囲を見渡す。
 埃っぽい体育倉庫は傾きかけた太陽の紅い光を呼び込んでいた。
 放課後になってからそれなりの時間が経過している。

 このままじゃ大変だ…このままじゃ…

 なんて暢気(のんき)に構えていられたのはさっきまでだ。
 今じゃそれどころじゃない。
 何しろ、ついさっきまでガリガリで冴えない男子高校生だったものが、今ではほっそりした美少女になってしまっているのだから。
 といっても鏡がある訳ではないこの体育倉庫では、自分の容姿を客観的に確かめることが出来る訳ではない。

 ただ、見下ろす視線の先に制服マジックで数十倍可愛らしくなった自らの身体を、どことなくいい匂いで確認できるだけに過ぎない。
 全身を襲う違和感からも、自らの身体に「何が起こったのか」は自覚せざるを得なかった。

 日々続くいじめに疲弊し、この日は体育倉庫に逃げ込んだのだ。
 そこにいじめ首謀者である学校でも評判の美男美女コンビが追いかけてきたのである。
 彼ら彼女らは表面的な評判“だけ”はいいので、いつまで経ってもいじめが露見しない。それどころかいじめを告発した側の生徒が「あらぬ疑いを他人に掛けた」として教師に責められる有様だった。

 だが、偶然逃げ込んだ体育倉庫の片隅に現れた謎の幼女が名刺を差し出しながら「何か困っていることは無いか」と言って来る。
 この学校の体育倉庫に住み着いた座敷童かなにかかな?と現実感がまるでない状況でありながら「追われてるから何とかして欲しい」と言ってしまった。

 そしたらこの有様である。
 忽(たちま)ちの内に肉体は女子へと性転換し、着ている服は…下着まで含めて全て…可愛らしい制服へと変貌してしまったのだ。

 いつの間にかいなくなっていた少女を不思議がっていたが、そこに美男美女…いじめの主犯格たち…が踏み込んできた。
 ただ、当然ながらさっきまでのうらなり少年とこの美少女を同一人物だと認定することが出来ず、その場を去ってしまったのだ。

 助かった…助かったけど…。

 少女は脳内で言葉を飲み込んだ。

 女の子になっちゃった…。

 彼…便宜上そう呼ぶ…は改めて薄暗くなりかけた体育倉庫の中で自らの身体を見下ろす。

 今時の女子高生にしては発育の良くない平坦な体型をキュートな制服に包んだそれが目に入る。

 こ、これから一体どうしたらいいんだ…。お父さんやお母さん、お姉ちゃんに何て言えば…!?

「ごめんよー」

 乱暴にガラガラという音がして入り口が開いた。

「きゃっ!」

 反射的に小動物みたいに可愛らしい声が出てしまい、その場にかがみこむ。

「…この辺で華代反応が出たんだけど…あんたがそうよね?」

 女性にしては低めの声のその人は、モデルみたいにすらりと背が高い美人だった。

「え…あの…」

 何やら機械みたいなものをいじっている。

「間違いないみたいだね」

「あの…ボク…」

 遅れてもう一人が入ってきた。お似合いの男性だ。

「その恰好でボクとか言ってるってことは男の子だわ。間違いない」
「あの…」
「まー言いたいことは分かるけど、とりあえず安心して。戻してあげるから」
「待って!」

 両手で自分の身体を抱きかかえる様にして身体をひねる。まるで女の子みたいなリアクションだ。

「戻して…くれるんですか?」
「うん。飲み込みづらいだろうけど、そういう仕組みなの」
「でも…戻ったらまたいじめられて…」

 じわりと目尻に涙が溜まって行く。

「…どうやらわけありみたいだ」
「そりゃわけありでしょうよ」
「そうじゃなくて…場所がおかしい。きっと逃げ込んだ先に見つかりそうで困ったから華代が現れたんだ」
「…そういうことか」

 ぶんぶんと頭を激しく振る美少女。

「悪いんだけどこれも仕事でね。女の子になっちゃった方が楽な犠牲者だとしてもとりあえず戻すことになってるの」
「きっとすぐ見つかっちゃいます!まだその辺を探し回ってるはずだから!」

 美女が…二条(旧姓・藤美)珊瑚(さんご)が考えている。

「そういえばさっき男女二人組とすれ違ったわね…」
「その人たちです!」
「…きゅーちゃんどうする?」

 きゅーちゃんと呼ばれたのは二条九郎(にじょう・くろう)。珊瑚(さんご)の配偶者だ。

「とりあえず郊外に一緒に連れ出そうか」
「いや、それだと今日は乗り切れても根本的な解決にはならない」
「つってもなー」

 あたまを掻いている珊瑚(さんご)。その手には手袋が嵌められている。

「アイデアがある」


~数分後~


 ガラガラと体育倉庫の扉が開いた。

「へっ!ここにいやがったか」

 美男子が醜く顔を歪めて言う。

「観念しろやオラァ!」

 美少女が見た目からは信じられない汚い言葉で追い打ちを掛けた。どちらも綺麗に制服を着こなしているが、精神とはかけ離れているらしい。

「テメエ何逃げてんだぁ!?お仕置きが必要だな」

 体格のいい美男子がづかづかと入り込んでくる。

「触るな!」

 大きな声を出したはいいが、全身がぶるぶると震えている少年。

「はぁ?テメエなんだその態度はあぁ!?明日からどうなるか分かってんだろうな」

 セリフだけでは女子とは信じられない。

「ボクに触ったら大変なことになるぞ」
「どうなるってんだよ!」

 ごくりと唾を飲む。

「い、いいか…。これは最後の警告だ。金輪際ボクに触るな。触ったら大変なことになる」
「うるせえええっ!!」

 可愛らしい制服のミニスカートを翻しながら般若の様な形相で近づいてきた美少女は、一気に少年の胸倉を掴んで釣り上げた。
 体育倉庫の中に誇りが舞い上がる。

 美少女は気付いていなかった。
 誇りにまみれて道具の影にいた九郎が手を伸ばし、美少女の肩にタッチしていたのを。

 少年は打ち合わせ通りににやりとした。

「ほら…言った通りだろ?」
「テメエ…何を…?…!?!」

 放り出す様に少年を突き離す美少女。

「おい!どうしたんだよ!」
「あ…ああ…」

 可愛らしいミニスカートがぐんぐんと伸びて二本のトンネルとなって脚を覆っていく。
 ブラウスのボタンの留めが逆になり、赤いリボンはネクタイへと変化する。
 サイズがダブダブになっていき、ブラジャーが喪失して無地のTシャツとなり、パンティは用を足すための穴が前方に開いたトランクスへと変貌する。

「な、何!?何よこれえええ!!??」

 あっという間に着ていた可愛らしい女子の制服が、オシャレではあるものの男子高校生のそれへと変化してしまったのだ。
 だが、変化はそれでは終わらない。

 肩まであった髪はぐんぐんと縮んでいき、角刈り、スポーツ刈りそして坊主頭へと変貌する。

「いやあああああああーーーーっ!?」

 肩幅がぐんぐんと広がり、同世代の女子と比べれば比較的発育の良かった乳房がへこみ、「胸板」へと納まって行く。

「そんな!そんなああああーっ!」

 甲高い声が徐々に野太くなっていく。
 下腹部に慣れない感触が突き出してきた。それが男性のシンボルであることは動物的なカンで感じ取ることが出来た。

 ふっくらと丸みを帯びていた臀(でん)部は筋肉質へと萎(しぼ)み、初々しいカモシカのような脚線美は脛(すね)毛も鬱陶しい無骨な脚へと変化していく。

「うそ…あたし…お、男…に…」

 そこには坊主狩りの男子高校生が鎮座していた。
 ただし、仕草と口調は女のままだったから何とも異様だ。

「だから言ったろ。触るなって」
「て、てめえ!!」

 少年は目をつぶって打ち合わせ通りに足を振り上げた。

 飛び掛かってきた「美少年」は運悪くそこにカウンター気味にタイミングが合ってしまう。

「ぐふぁっ!?」

 内臓を突き上げ、背筋が冷たくなる様な異様な痛みに全身が貫かれる。ついさっきまで少女だった彼女は、「男にしか分からない痛み」によってその場にうずくまってしまった。

「お!おい!お前!」

 余りのことに茫然としていた美男子の方だが、やっと正気を取り戻したらしい。

「貴様!何しやがったぁ!」
「触るなよ!」

 さっきの再現だった。
 物陰に隠れていた珊瑚(さんご)が、気付かれない様に美男子にタッチする。

「な…何…!?」

 わさわさと生き物のように蠢(うごめ)く髪が伸び、流れるように垂れ下がって行く。
 ギギギ…と肩幅がきしみをあげそうに狭まって行き、同時に形のいい乳房がツンと上を向いて盛り上がる。

「ああ…あああああっ!」

 見下ろす胸板にみるみる丸く柔らかい盛り上がりが形成されて行くのを見て悲鳴を上げる男の子…少年がついさっき経験したパノラマを客観視させられた瞬間だった。

 同時にウェストがきゅっと引き締まり、男にはあり得ない細さになる。

「そ、そんな…た…たすけ…て…」

 ぐぐぐ…と視点が低くなることに気付く元・美男子。背が低くなっている!
 まっすぐに伸びていた脚はぐぐぐ…と内側に曲がって行き、同時に丸くふっくらとヒップが膨らんでいく。
 艶(なまめ)かしい脚線美が形成されると同時に、下腹部のそれがしゅしゅしゅと体内に収納されて行く。

「やめろ!やめ…それだけはぁああああっ!」

 両手で下腹部を押さえようとするが、そうすると両胸のふくらみを二の腕が圧迫してしまう。

「はぁっ!!」

 突如生まれた経験したことの無い敏感な感覚に背筋をのけ反らせる元・美男子。
 その甲高い声は、性転換が完了し、すっかり女体化したことを裏付けていた。だが、変化は終わらない。

 Tシャツが変形し、ワイヤー入りのブラジャーになったかと思うと、アンダーバストを締め上げ、生まれたばかりの乳房をがっちりと抱きしめた。

「わああっ!!」

 同時にシャツの残りの部分がキャミソール状に変形し、ブラジャーと同じ高さからその下へと伸びていき、胴回りを柔らかくてすべすべな女性の下着の肌触りで抱きしめた。

「ひっ!」

 ガラパンがシルクのパンティになって乙女の柔肌に吸い付いた。
 シャツのボタンの合せが逆になり、ネクタイが可愛らしいリボンへと変形していく。
 乳房が突き上げるその凸凹(でこぼこ)の寸詰まりの上半身にリボンが映(は)える。

 そして…オシャレはチェック柄のズボンはすすすすす…と丈を縮めて行き、無駄毛ひとつない素脚が空気に晒される。

「ああ…そんな…やめろぉおおおーっ!!」

 願いも虚しく、スポン!と元・美男子の両脚を覆っていた空気が解放された。
 ふわりとミニのプリーツスカートが舞い、いつの間にか履かされていたピンク色の女子のスリッパと濃い色の靴下と共に、「女子の制服」が完成していた。

「バカな…これって…」

 思わず自らの身体を見下ろす元・美男子。
 大振りの乳房に邪魔されつつ、そこには可愛らしい女子の制服のミニスカートから伸びる美しい女性の素脚があった。
 思わず後ずさってしまう。

 全身を柔らかくてすべすべのスリップが嬲(なぶ)り、内股になっていた素脚同士がスカートの内側でこすれ、脚全体の周囲を空気が通り過ぎ、むき出しにされたスカートの中の下着が意識された。

「ひゃあっ!」

 背筋を官能的な刺激が駆け上る。
 ついさっきまで健全な男子高校生だった身の上には酷な仕打ちだった。

「だから触るなって言ったのに…」
「お前が…やったのか…!?」

 長い髪を振り乱し、目を見開いてこちらを見ている元・美男子。

「う…うう…」

 やっとこさ起き出して来る元・美少女。今では坊主頭の男子高校生だが。

「ちょっ!…あんた!なんてカッコしてんのよ!」
 肉体的には男なので、完全にオネエみたいな口調である。
「オレが知るか!何か知らねえけどこんなことになってんだよ!」
 思わずがに股になって両手を広げる元・美男子。必死に低い声を出そうとするが、宝塚のモノマネにすらなっていない。
「…もしかして女になってんの?」
「…お前こそ…」

 同時に両者とも耳まで赤くなった。思わぬ痴態に恥ずかしくなったってところだろう。

 数泊の沈黙の後、元・美少女…現・坊主狩りの男子…が一歩前に出た。

「…可愛い…」
 一瞬にして青ざめる元・美男子…現・制服姿の女子高生…。
 そして更に一歩後ずさった。
「お…お前…」
「何て可愛いの…」
 ふるふると顔を振る元・美男子。
「おいよせ…何を考えてるんだ…」
 だが、強がる男言葉にも説得力が無い。誰もが振り返るほどの美少女が、キュートな制服マジックを身に纏っているのである。
「いいじゃない少しくらい…減るもんじゃなし…」
 じりじりと間合いを詰めはじめた。
「お前は女で、オレは男だぞ…よせ…」
 ぶわり!とミニスカートが舞いあがった。
「きゃああああああーっ!」
 元から肌色が多かったビジュアルが、一瞬下半身がほぼ肌色となった。純白のパンティを残して素肌が剥き出しにされたのだ。
 生まれつきの少女の様なリアクションで必死にスカートを押さえる元・美男子。もうその面影は無かった。

 がばり!と抱きついてくる元・美少女。現・坊主狩りの男子高校生。
「いやああーっ!やめっ!やめてぇえええーーっ!!」
 一瞬にして唇を奪われると、両方の手で背中から強く抱きしめられ、お尻をまさぐられる。
「ん…んっ…んんんんんんーーーーっ!!」

「はいそこまで!」

 その後、その場に正座させられる美男美女(本来の性別は逆)が、説教を受けていた。

 スキを衝いてその体育倉庫から脱出する二条夫妻。



 あたしらはあんまり助けた後の華代被害者のその後とか追いかけないんだけどね。
 気になったんであの後彼の動向を調べてみた。

 いじめの首謀者はあの男女二人だったもんだから、翌日からぴたりと止んだんだって。
 「もしも自分に手を出したらまた同じ目に遭わせるぞ!」って言えば大丈夫って言っておいたんだけど覿面(てきめん)だったみたい。

 ていうか、あのいじめっこ男女は元からほぼ公認の仲だったんだけど、その後何故かムチャクチャラブラブになって下手すると校内でもキスし始めるほどで大問題になったんだって。
 なんつーか、あたし(3号)ときゅーちゃんこと九郎さん(29号)の能力を喰らう人間の体質ってこともあるんだけど、基本的にすぐに元に戻ります。
 最初の1回目が2時間で戻ったんなら、次は3~4時間とかそんな具合に伸びていくことが多い訳。でもあの二人は何故か初回なのに一昼夜そのまんまだったんだって。

 その夜に何があったのか…は良く知らない(そっぽ向いて口笛。)

 いじめられなくなったのはいいんだけど、ぎゃくにいい風に付き纏われる様になっちゃったらしいけど…なんでかなぁ。
 ま、解決したんだからいいってことで。

おわり

http://ncode.syosetu.com/s3754c/

 
 

読ませていただきました

 投稿者:真城 悠  投稿日:2015年10月 5日(月)18時01分16秒
返信・引用
  >At14さん
>> 「調和」「快感原則」
>たしかに私も、どちらかというと上記のようなものを求めますね。

 やっぱりそうですよねえ…。

>「ブロック崩し」
http://ncode.syosetu.com/n7440cu/

 読ませていただきました。なるほどシュールでいいですね(^^。

 ぼちぼち頑張ります。

http://ncode.syosetu.com/s3754c/

 

約3ヶ月ぶりです

 投稿者:At14  投稿日:2015年10月 2日(金)23時18分44秒
返信・引用 編集済
  wiki更新停止してから、TS作品を書き始めたAt14です。


真城 悠さんへのお返事です。

まず初めに、この場ですみませんが、私の感想に返信して下さった上に掲示板の更新もして下さって、ありがとうございます。

>  結論から申し上げるならば、大半のTSファンが求めるのは
>
> 「調和」「快感原則」

たしかに私も、どちらかというと上記のようなものを求めますね。
もちろん『「不協和音」「スリル」寄り』のものが嫌いということではありません。
実際、私の書いたTS小説「ブロック崩し」がそれにあたるかと思います。(確信はできませんが)

(編集しました)
 

珊瑚(さんご)さんの世直し 01

 投稿者:真城 悠  投稿日:2015年10月 2日(金)19時48分6秒
返信・引用
  「う゛~い飲んだ飲んだ」
 赤ら顔で何故か手袋をした妙齢の美女が繁華街の居酒屋から出てきた。

 色の濃いスカートスーツを着こなしているが、足元もおぼつかない様子だ。
「おつかれさーん、あ゛いおつかれー」
 次々に出て来る同僚らしき人物たちを見送る。
「…大丈夫ですか?珊瑚(さんご)さん、相当酔ってますよ」
「放っとけ」
 長身の美女に比べると小柄に見える少女と、少しだけ背の高い優男が入り口を通り抜ける。
「二条さんも出張中だってのに…」
「誰もこんなのに手を出したりしねえよ。俺は帰るからな」
 未成年にしか見えない少女がさっさと出て行く。白いシャツにジーンズ、ポニーテールが目を引く。
「あ、いちごちゃん」
「いちごちゃん言うな!外では一号にしろって!」
 その声も遠くなって行く。本当に心配されていない様だ。
「ん…あいつら本当に帰りやがったか…」
 何度も頭を振る美女。
 彼女は二条珊瑚(にじょう・さんご)。旧姓・藤美。
 人類を守る秘密組織にして国家機関「ハンター」のエージェントである。

 神出鬼没の謎の少女「華代ちゃん」によって女性へと性転換された人々を直して回るために集められた「能力」を持つ選りすぐりの存在だ。
 …最も、余りにもバラエティ豊かすぎてこの頃ではすっかり「面白人間の集まり」みたいなことになっているのだが。

 珊瑚(さんご)もまたその特異体質からエージェントの職を得た一人だった。
 ただ、彼女の場合、ある時の華代との接触以降、厄介極まりない「特異体質」を獲得してしまっているのだった…。

「ん…」
 ハンターと言っても体質は普通だ。飲めば酔う。
 流石に今夜は流し込み過ぎたらしい。珊瑚(さんご)も気分が悪くなってきた。
 旦那が出張で帰らないので少なくとも今夜は家事に気を遣う必要が無い。まあ、旦那の几帳面な性格だと2~3日洗い物を溜めたくらいで嫁を責めたりすることは無く、いつの間にか全部自分が片付けて何食わぬ顔をしていたりするんだが。

「…?」
 珊瑚(さんご)のカンが何かを捉えた。
 日本でも有数の繁華街であるが、それだけに物騒なことも起こる。

 居酒屋街の路地を一本一本覗き込んでは次に行くことを繰り返す。
 終電はもう出てしまった。
 ハンター本部は少し郊外なのでここからはちょっと距離がある。といっても珊瑚(さんご)には旦那との愛の巣があるからそっちに帰らなくてはならんのだけど、この有様では今夜はカプセルホテルにでも泊まるしかなさそうだ。
 嫁入り前ではないんだが、一応老境には遠い女としてちと軽率だ。

「…何かいると思ったんだけどなぁ…」
 …やっぱり気配を感じる。
 踵(かかと)の高い靴でふらふらとロクに街灯の光も届かない路地の奥に入って行く珊瑚(さんご)。
 暗闇の中で何かがモゴモゴ動いている。

「おお姉ちゃん」
 素肌に皮ジャンをそのまま引っ掛けた上半身の筋肉を見せつける大男が目の前に現れた。
「ん?…」
「何だ酔っ払いかよ…」
「あんだ誰?」
 息の酒臭さに表情を歪(ゆが)める大男。
「回れ右して帰んな」
「…奥で何やってんの?」
「いいから帰れよ!」

 急に声が大きくなる。やましいことをしている証拠…だと珊瑚(さんご)は決めつけた。

「よくないねえ。良くない。インチキ金利で身柄を拘束した女性をとりあえず手籠めにしようってのは良くないよ」
「うるせえ!」

 適当に言ったのに図星だったか…てことはあそこでもみ合ってるのは主犯格と被害者の女性ってことだわな。
 少し視界がハッキリしてきた。

「あ~…あたしは国家公務員だけど警察じゃないわけよ。なんであんたがたを取り締まる権限とかないけどさ。興味も無いけど」
「あぁ!?国家公務員だぁ!?下手な煽りこいてんじゃねえぞ!」
「とりあえず商談やるんなら終電後の裏路地とかじゃなくて、お昼にオフィスでやんなよ。その女の子連れて帰るよ」
「うるせええええ!」
 大男が珊瑚(さんご)の胸倉を掴んで釣り上げてきた。

「あ、言うの忘れてたけど…男があたしに不用意に触らないでね…って遅いか…」

「テメエ何を…ってえええええええええええーっつ!?」

 その声は甲高かった。珊瑚(さんご)の胸元の拘束は緩み、その白魚の様な手は大男…だったそいつの全身をまさぐることに使われている。
「…ゴメン。思考能力が低下してっから…安易だけどセーラー服にしといたわ」

 その大男は可憐なセーラー服の女子高生となりはてていた。

「な…何だぁ!?こ…これは…俺…女に!?」
「あーそーだよん。個人差もあるけど…長けりゃ1日やそこらはそのまんまだから」
「バカな!…髪の毛も…」

 ショックの余り珊瑚(さんご)の言葉も聞こえていない様だった。
 自らの髪の毛が発するシャンプーの香りと思春期の女の子の体臭が混ざり合ったフレーバーが鼻孔をくすぐっている。
 肋骨の一番下辺りがブラジャーに締め付けられて苦しく、上半身の胴回りを柔らかくてすべすべする女物の下着…スリップの感触が優しく撫でており、身体を動かす度にその感触が全身に走る。

 これが珊瑚(さんご)の特殊能力だ。
 触れた男は忽(たちま)ちの内に女性に性転換し、珊瑚(さんご)がイメージした女物を着せられてしまう。
 衣装は珊瑚(さんご)がその時イメージしたものであれば何でもあり。今のところこれと言った制限は見つかっていない。
 問題はこれが珊瑚(さんご)の意思すら無視して勝手に発動してしまうということだ。
 であるから常に手袋をしている。
 珊瑚(さんご)はそのままでは男性に触れることも、当然それ以上のことをすることも出来ない。最も、唯一その体質を無効化してごく普通にスキンシップを計れるのが配偶者たる二条九郎(にじょう・くろう)なのである。

「そんな…これが…スカート…って下着まで…」
「うるさいなあ。続きは家でやってよ」
「て、てめえ!」

 めげずに女子高生姿で殴りかかってくる元・大男。

「ほい」
「きゃあああああああああーっ!」

 ぶわりと膝下まであるプリーツスカートがめくれあがった。
 珊瑚(さんご)のスカートめくり技術は卓越の域にあり…日々そんなことばかりしているためだが…下半身がパンティ一丁でほぼ丸出しになった!

「いやああああぁぁぁぁあああああーっ!」

 泣きながらその場を走り去る「女子高生」。一丁上がりである。

 ふらふらとそのまま路地奥まで歩く珊瑚(さんご)。

 気配を感じたのかズボンをずり上げて乱暴にベルトを留めながら男がこちらに歩いてくる。

「あんだテメエゴルァ!」

 眼が血走っていてその手にはナイフが握られている。

 あ…こりゃ結構ヤバいかも…と珊瑚(さんご)は思った。
 つっても乗りかかった船だし、降りかかる火の粉は払わんとね。

「あー…一応警告しとくけど、あたしに直接触らん様に…」
「うせろやぁあ!」

 一気に距離を詰めた目血走らせ男は問答無用でナイフを突き出してきた。

 珊瑚(さんご)とて特殊エージェントであるので、一応格闘技の手ほどきは受けている。
 得物を持った素人はどうしてもそれに攻撃が頼り切りになりがちだ。

 強がってはいるが、一撃で刺殺しようと言うのではなくて刃物で人を攻撃することにまだ心理的なストレスがあるタイプらしい。
 半ば相手が避けてくれるのを期待して中途半端な突きである。
 とはいえ、まともに食らえば大怪我だ。

 珊瑚(さんご)は酔った状態ではあったが、体捌(さば)きでそれを交わし、ナイフを持つ手首を掴んだ。

「触るなっつったでしょうが」

 タイト気味のスカートをモノともせず膝を蹴り上げてナイフを飛ばす珊瑚(さんご)。

「ほい」

 武器が無ければおそるるに足らない。
 ドンと突き飛ばすと目血走らせ男はその場に足をもつれさせて倒れ込んだ。

「テメエ!何を…!?」
 不思議そうな顔をしている目血走らせ男。

「…そろそろ身体に違和感感じてきたかな?」
「何を…しや…がった…」

 ぶわり!と髪の毛が伸びた。

「うわああああっ!」

 ただ伸びただけではなく、まるで一日の手入れも欠かしていないかの様に美しく艶(つや)やかに流れ落ちる。単に生物学的に押し出された訳ではない。意図のある「変身」であった。

「どうなってんだぁ!?オレの…か、身体が…」

 必死に抱きしめようとしている形の身体の前面に、むくっむくむくっ!と乳房が盛り上がってくる。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーっ!?」
「結構大きいでしょ?これでも気を遣ってんのよ」

 大半の男にとっては大きなお世話であろう。
 その間にもウェストはきゅっ!と引き締まり、内股に寄って行く無骨な脚は艶(なまめ)かしい脚線美を形成し、そして丸くふっくらと膨らんでいくお尻…。

「これは…」

 目の前に翳された手の指は、白魚の様に細く長く美しく変貌していく。彼の身の上に何が起こったのかは明白だった。
 それを観る顔もまた、くりっとした瞳にさくらんぼの様な可愛らしい唇が形成され、無精ひげは大理石の様なつるりとした表面になると同時に消え失せていく。

「うっ!」

 元・目血走らせ男が下腹部を押さえた。
 男の一番大事なところが、身体の中にしゅしゅしゅ…と収納されて行く。

「よ、よせ!やめろ!やめろおおおっ!!」
「悪いけどやめらんないわけよ」
「あああっ!」

 背中をのけ反らせる元・目血走らせ男。どうやら「女への性転換」は完了したらしい。

「ん゛~、どうしようかなあ…ちょっと今夜は余り深いこと考えられるほど余裕ないから安易だけど同じレパートリーで」
「な、何を…」

 ダブダブで出来損ないのパンクバンドマンみたいな恰好をした美少女も大層可愛らしかったのだが、そのあちこちが銀色のパーツに彩られたスタイルは、徐々に漆黒に染まり、純白の三本ラインと、そして血の様に紅いスカーフへと変貌していた。
 筋肉質だったその身体に出現したお椀型の脂肪の塊(かたまり)…ロマンチックに言えば乳房…をワイヤー入りのブラジャーががっちりとホールドした。

「ああっ!」

 ビキニパンツは前方にリボンの装飾があるシルクのパンティとなり、どこからか出現したスリップが生まれたての乙女の柔肌を優しく包み込み、そして両脚を解放した。

「うわああああああ~っ!!」

 ぶわり!と効果音が聞こえそうに一瞬で広がるプリーツスカート。
 場末の繁華街にふさわしくない、清楚で可憐なおろしたてのセーラー服に身を包んだ女子高生の誕生だった。

 気が付くと、路地の奥から立ちあがって来たらしいショートヘアの女子…年の頃は女子大生くらいだろうか…があちこちを泥だらけにしたいでたちでそばに来ていた。

「あの…ありがとう…ございます」
「あん。まあ…ね」
「…これって…どういう事なんですか?」

 目の前に茫然と自らの美少女ぶりを見下ろすセーラー服がいるのだ。
 ご丁寧にそのストレートロングにはヘアピンが刺さっており、リップグロスまで塗られているらしい。細かいディティールまで完備しているのか。

「まあその…余興と言うか…催眠術みたいな」

 珊瑚(さんご)の能力をそのまま説明できる訳が無い。したところで信じてなどもらえないだろう。

「あれって…あの男なんですか?」
「それはその…」
「て、てめええ!」

 可愛らしくも甲高い声でやはり掴みかかってくる。この手の人種は結構めげないらしい。

 何故か「女子」二人は一瞬顔を見合わせた後、両手に分かれた。
 行き場を見失った女子高生は出された足につんのめってこける。

「きゃっ!」

 無骨な目血走らせ男だったとは思えない可愛らしい声である。
 ひねられた両脚を包むスカートは乱れ、白いスリップが覗いている。

「あらあら。おろしたての制服が台無しだわ~」

 棒読みの珊瑚(さんご)。

「いいから帰えんな。人に寄るけど、多分朝までそれ解けないから」
「…朝まで?朝まではこの人女なんですか?」

 ショートヘアが確認してくる。

「まあ…でも個人差あってね。短いと2時間くらいで戻っちゃうよ」
「…お姉さん、どういう事なんですそれ?」
「まーなんつーか…」

 ぽりぽりと鼻の頭を掻いている珊瑚(さんご)。

「あたしはとりあえずあんた助けた積りだったんだけど、それは大丈夫よね?」
「あ…ええ。助かりました」
「じゃあさっさとズラかりなよ。どんな縁だか知らないけど」

 少し考えているショートヘアの女子大生風。

「ありがとうございます。後はこっちで何とかしますから」
「…逃げないの?」
「こんな小娘相手に逃げる必要あります?」

 何故かショートヘアの眼光が鋭くなった様に感じられた。

「え…それは…」
「立ちな」

 重低音だった。

「立てって言ってんだよ!」
「きゃっ!」

 ばふん!と周囲の風を巻き込むように長いプリーツスカートが翻り、片手で釣り上げられる「女子高生」。

「ちょ…ちょっとあんた…」

 若干“引いて”いる珊瑚(さんご)。

 上半身を抱きしめるショートヘア。
 キスしそうなほど顔を近づけている。

「…よくも色々やってくれたわね…朝まで女になったことを後悔させてあげるわ…」
「そ…そん…」

 恐怖の余りなのか、女子高生…ついさっきまでは目を血走らせた筋肉質の男だったんだが…の目尻には涙が溜まっている。

「覚悟なさい…分かったら返事!」
「…」

 小動物の様に怯えて何も言えない女子高生。

「返事は!」

 突如握り潰すほどの剛力で形のいい乳房をセーラー服の上から鷲掴みにするショートヘア。

「きゃああっ!」

 同時に周囲に上昇気流が発生したかと思わせるほどの勢いでスカートが舞いあがった。

「いやああああああああーっ!」

 広がり気味の膝下まである長いスカートによって隠されていた体型が、モロに露(あらわ)になった。パンティはおろか、その周囲を包んでいた純白のスリップに、スカートの裏地までもが一緒にまくれ上がる。

 空中で叩き落とす様にスカートを押さえる「女子高生」。
 まるで生まれた時から少女であったかの様な可憐なリアクションである。そうさせたのは珊瑚(さんご)なんだが。

「分かったのかって…言ってんのよ!」

 ばふん!ばふん!と何度も何度もめくり上げるショートヘア。前から後ろから巧みにめくりあがる。

「いやっ!やめて!やめてぇえええっ!!!!!」

 完全に涙をほとばしらせながら長い髪を舞わせる女子高生。
 余りにも連続して目に入ってくるもんだから、珊瑚(さんご)ですら「スカートの中身」のビジュアルがゲシュタルト崩壊を起こしそうになる。

「あ…あの…その辺にしといて…やったら…」

 ジト汗を掻いている珊瑚(さんご)。

「あ、ありがとうございますお姉さん。こいつの処理はあたしに任せといてください」
「そ、そうね…お手柔らかに」

 珊瑚(さんご)は普段、女を傷つける男になんぞ全く同情しないのだが、何故か冷や汗が出ていた。

 がっしりとプロレス技みたいに首をホールドしたままその場を去って行く二人。

 もしこれが男が女子高生を乱暴しているとなると大問題なんだが、華奢な女子大生が制服姿の女子高生とじゃれている…と言う風に見えたなら、恐らく職務質問もされまい。


 何故か一人ぽつんと残された珊瑚(さんご)は、結局その後タクシーで自宅に帰り、夫に言い訳をする羽目になったのだった。

 一応、困ってる女性を助けたということで…。
 深夜の繁華街に突如現れる形となった漆黒のセーラー服に身を包んだ女子高生二人は、特にニュースにはならなかったらしい…。翌日の朝刊を一応チェックした珊瑚(さんご)の感想である。

 おわり
 

そういえば

 投稿者:真城 悠  投稿日:2015年10月 2日(金)17時09分52秒
返信・引用
   我ながら無茶を言っているなあ、と思ったことがあります。

 「原生動物」の僅か2分強のTSオチ場面。直前の「本物(?)のアダムとイブ吐きだし」場面もあってこそのそれですし、最後の「面堂…愛していたのだよ!」というのは雪山の遭難シーンで面堂があたるに「愛している」と適当なことを言って命乞いするシーンのある種の意趣返しにもなっています。
 ラストの変身状況追い込まれには何の根拠も必然性も無いのですが、細かいところで伏線の回収はしているという。

 ともあれ、たった2分強に多くの見せ場が盛り込まれたこの場面、何と言っても目を引くのが「ムクムク変形」描写でしょう。

 同じ「うる星やつら」でその後繰り返された「青い鳥」にしても、確かに性転換はしているのですが、一瞬にして「ポン」と「変身前」と「変身後」が切り替わるだけで、「変身途中」の描写は省略されています。

 「らんま1/2」なども完全にそうで、「胸だけが女らんまで、残りのパーツが男乱馬」といった「場面」「コマ」は原作漫画にはただの1度も登場しません。
 全てのページを「チェックするため“だけ”に」読み返した私が言うんですから間違いありません。

 自らの膨れ上がった乳房を見下ろしてあたると一緒に驚く面堂…といった“趣旨の”コマは存在しない訳です。

 「パーツ女体化」とでもいうべき現象を絵面にすると「キメラ(合成獣)」状態になってしまいます。日本語だと差し障りがあるので英語にすると「フリーキー」となります。

 はっきり言えば「生理的に気持ちが悪い」「気色が悪い」それなんですね。

 別にこれはTSに限った話では無く、「異形変身・異形変形」全般に言えることで、それこそやられ役のモブ悪役などではなく「名のあるメインキャラクター」が「変形」の犠牲になるなどあってはならないことです。であるからこそ「AKIRA」などの衝撃があるわけで。

 分かりやすく言うと、「北斗の拳」などにおいて、ヒャッハー言ってるだけのモヒカンとか山みたいな巨人の悪役などがぶっ飛ばされて肉の塊にされたり、輪切りにされたりするのはいいんだけど、レイとかマミヤみたいな「名のある」キャラクターがそういう殺され方をしてはいけない訳です。実際にお亡くなりになるキャラもいますが、決してそういう扱いはされません。
 そういう「前提」があるからこそ、首を食いちぎられて殺される某キャラの衝撃がある訳です。
 そして、エンターテインメント作品では守られるそれらのお約束は、ホラー・スプラッタ作品においては逆の「お約束」となりえる訳です。

 で、私はその「生理的に気持ちが悪い」ところをこそ偏愛している…という訳。これはマイノリティだ。

 とはいえ、「生理的に気持ちが悪い」と言う表現はあくまでも分かりやすくしようと目一杯大げさに強調した表現であって、「ギョッとする」とか「ショッキング」でも構わない訳です。その辺りよろしく。

 ちなみにこの「ムクムク系女体化」路線は現在ではほぼ絶滅状態です。
 直系の子孫であるはずの「青い鳥」「らんま」にすら見捨てられ、採用されませんでした。「青い鳥」はテンポが大事なのでこれでいいのですが、「ムクムク系」で服まで女体化するバージョンも観てみたかった。
 「魔法少女マジョーリアン」の様にごく稀に「ムクムク系女体化」変身をする「少年魔法少女もの」も存在はしますが、大半は「切り替え式」(今命名)です。

 かと思うとYoutubeなどにあるオリジナル自作アニメや、同じくアマチュア(?)映像作品などにおいては「ムクムク系」が多いんですが。
 これは数秒から数十秒という短時間でのインパクトと言う点では有利となるという事情もあるでしょう。

 「切り替え式」でないとなると、「目が覚めたら」系です。
 これは、仮に生物学的な理由であった場合、一晩かけて変容したということにすれば多少なりとも説得力めいたものを匂わせられるという事情かと。
 「入れ替わり」ともなると、SFX(特殊効果)すら必要ありません。

 意外なことに「パーツ女体化」は「ドラえもん」ではまま見られたりします。実は「強制女装」も「強制性転換」も登場するディープでフェティッシュなマンガなんです。まあ、ファンは先刻承知でしょうが。

 「おれ、夕子」において主人公くんはある朝スリップなどの下着まで含めた「完全女装」状態で公園で気絶した状態で「覚醒」し、そのまま自宅までスカートを翻しながら全力疾走。駆け込んだ自室にて大急ぎでブラウスをはぎ取り、スカートを降ろすとそこには純白のスリップが…と言う場面があります。

 アニメ版のこの時のセリフ「下着まで…」は私の中では「原生動物」の「手まで…」に匹敵する名セリフです。

 この「進化の袋小路」にはまって絶滅してしまったジャンルである「ムクムク系」で感じるゾクゾクする薄い恐怖感。

 「なろう」などにおいて「異世界異性転生もの」が猛威を振るい「美少女擬人化」が隆盛を極め、「男の娘」を公共放送が特集するこの潮流は、一見するとTS愛好家にとっては天国に見えますが、その実「不快ギリギリのスリル」を脱臭してきた歴史でもあります。

 この「男が女になる」場面における「キメラ」状態は、アイデアとしては面白そうでも実際に絵にしてしまうと思いのほかドギツイので、徐々に軟化してきた…と私などは睨んでいるのですがどうでしょう。

 個人的には普通に考えれば「不快感」しかないはずの、ホラー・スプラッター映画の愛好者や、絶叫マシン愛好家と同じ様なものだと思ってるんですが…。

 とまあ、そんな話です。
 

ご無沙汰しております その1

 投稿者:真城 悠  投稿日:2015年10月 1日(木)17時43分38秒
返信・引用
   ご無沙汰しております。
 思うところがありまして今回の文章をしたためさせていただきます。

 細かいレスは次回以降にて。

 あ、閉鎖とかではないです。

 要するに「どうして自分はTSコンテンツを始めたのか」というあたりについてここ数か月間、考え込んでしまっていたということです。その辺りを正直に書きます。
 取り留めも無くなりますのでご了承ください。
 かなりグダグダ長いので、体力のある時にどうぞ。

 ここ一年くらいは正に激動でした。いい年こいた大人がこれほど身辺がバタバタするのはそれほどないことでしょう。
 結婚とそれに伴う新居への引っ越し、毎度の資格試験に仕事も忙しく…と言った有様でした。

 それに伴ってサイトの更新もままならなくなり、かつてのモティベーションを失っておりました。

 せめて掲示板へのレスだけでもしようとしたのですが、まるで「義務」「仕事」みたいになってしまっていました。
 そもそもが「自らの手でTSコンテンツを紡ぎ、不特定多数…ではなくて同好の士に向けて発信する」ことが楽しくて仕方が無いから始めたことであったはずなのにこんなことでいいのか…と。
 そこで資格試験の勉強を盾にとって沈黙させて頂く選択を取らせていただきました。


 一つ申し上げたいのは、かつての様に時間とそして資金を投入できる状態ではなくなったと言うことです。

 前にもご報告させていただきました通り、結婚いたしまして可処分所得は高校生のお小遣いに毛が生えた程度に縮小してしまいました。
 一枚数千円のイラストレイターさんたちへの依頼もままなりません。
 この状況が劇的に改善する見込みはほぼありません。これから先も何かと物入りになるでしょうし。

 同じ理由で、掲示板にご報告いただいたTS関係の新刊書籍にもほぼ手を出すことが適いません。情報提供いただいて本当に心苦しいのですが。

 ただ、当サイトはかつての「八重洲のメディアリサーチ」さんの様な「最新のTS情報の提供の場」として開設した訳ではありません。今では同趣旨のブログ等沢山ございますので、そちらで情報を得て頂きますようにお願い申し上げます。
 もちろん、報告等はどしどししていただいて構いません。私が全てにチェック後レスを付けるのは簡単ではありません…というかほぼ不可能なのですが。

 また、何と言っても最大の理由が「私(真城)が究極の理想とするTS創作物」とそうでない物との齟齬が徐々に露(あらわ)になってきた…ということです。

 はっきり言って私にとっての理想的なTSものは「原生動物」であり、次点で「青い鳥」なのです。

 単なる「ムクムク系TS」と言うだけではなく、「異形変身」たる「恐怖」スレスレの「構図」或いは「ナンセンスでシュールでありつつもTSが絡む複雑な感情を喚起」する「構図」なのであって、「(元・男の子である)可愛い女の子」たちのきゃっきゃうふふ…ではないのです。
 あ、勿論所謂(いわゆる)「美少女動物園」路線のTS版も好きです。「ハンター」シリーズなんて正にそうですから。

 私は現時点では絵が描けません。少なくとも私自身が納得するレベルでは。
 仕方が無いので「他人に依頼する」と言う形を取らせていただきました。
 ただ、言ってみればこれは「代償行為」であって、「仕方なく」行われるものです。

 とはいえ、現実的に全てを打ち捨てて絵の勉強に日々没頭する訳にもいきません。

 しかし、人を介するということは莫大なリソースを消費します。
 絵そのものは素晴らしいものです。

 ただし、一枚の依頼に数千円が掛かり、何と言ってもメールのやりとりが大変です。
 慎重に言葉を選ぶメールなど、場合によっては一通に1時間くらいは掛かります。
 そして、おおゆきさんに代表される一部の方々は絵も素晴らしいしレスポンスも早くて頂いて、金額相応どころか数倍いや十倍払っても惜しくない逸品ぞろいです。

 ただ、多くの場合は打ち合わせ含めて完成まで短くても1枚に2か月、長いと数か月は掛かります。

 個人的な意識としては、1日10枚は大げさでも、1日に1枚ペースでイラストを追加しても追いつかないほど魅力的な作品…小説…が当サイトには溢れています。ですからここには力を入れました。
 しかし、どうしてもペースは上がりません。
 仕方が無いので、多数のイラストレイターさんを同時並行で製作する体制に移行せざるを得ませんでした。

 しかしこうなると裂かれるリソースも膨大となります。土日ともなれば朝から晩までメールの対処…では何のために他人に依頼していたのか分からなくなります。時間の節約…その時間をお金で買うためのものだったはずなので。
 この部分を別の方にお願いする試みもありましたが、私の至らなさで有効に機能するには至りませんでした。

 アニメの制作進行として働いていたこともありますので、「他人に依頼されて絵を描く」ことの大変さは承知はしていたのですが、やはりイメージは違いました。
 プロの一流アニメーターさんともなりますと、普段はサボってることも多いですが、いざとなれば1日に数十枚を描きます。
 鍛え上げられた(?)アニメーター、イラストレイターさんは「ちょっとこのゴミ捨てといて」みたいな指示すらお金を取れるレベルの版権絵で落書きしてくれたりします(本当)。勿論、気軽に描けるレベルの殴り書きですが、その殴り書きですら私の本気の数十倍は達者なのは言うまでもありません。

 極論すれば「絵のあるなし」だけでも一遍の小説のリーダビリティは天と地ほどの差が出ます。私としては「あるだけでもいい!」からどんどんどんどん追加しまくろうという目論見だったんですが、現実には毎日歯ぎしりしてのた打ち回ってるのに2か月に1枚ペース…。
 この頃のことを思い出すと今でも胃が痛くなります。
 私自身が追加しようと無謀な試みをしたこともありますが、余りの不評に一枚で止めてしまいました。

 ただ、仮に私が潤沢な資金を持ち、数十人を使い倒せる立場であったとしてもこの体制に満足出来たかと言うとそれは疑わしいです。
 というのも、私自身がTSにおいて「目指す物」が多くのTSファンのそれとはかけ離れていたからです。

 ここが一番の大問題でした。

 結論から申し上げるならば、大半のTSファンが求めるのは

「調和」「快感原則」

です。
 小動物の様に可愛いTS美少女やTS美女がきゃっきゃうふふして、「可愛くなっちゃった自分をコロコロと弄(もてあそ)ぶ」展開になごなごする訳です。

 私もそうした展開は嫌いではありません。
 ただ、あくまでも「余技」であって「一番に求めるもの」とは違います。

 例えが難しいのですが、私は何だかんだ言っても一番好きなメニューはカレーです。しかも自家製秘伝のレシピによる(それほど大したものではありませんが)それ。
 それ以外のどれほど美味しいメニューを食べたとしても「物凄く美味しい」とは思っても、「やっぱりあれが真打だよな」と思ってしまうようなものです。分かりにくいですかね。

 TSの傾向で言うと、私が求めるのは

「不協和音」「スリル」

寄りなんですね。
 一番分かりやすいのが「原生動物」で、たどり着く先こそ美女の形状であるとはいえ、異形の肉体に変容していく面堂終太郎と、それを自覚した立ち振る舞いは小学生だった私を恐怖のどん底に叩き落とし、衣類を破り取られて嬌声を上げるに至っては恐慌をきたして叫んでしまったほどでした。

 正直、世の中にこれほど凄い物などあるものかとずっと思っていました。
 ですので、ツイッターで定期的に張りつけて煽るのですが反応は微小。同人誌にも書きましたが、インターネットが登場して一番驚いたのが「原生動物」への言及がほぼ見られなかったことだったくらいです。

 その後、人間の身体がドロドロに溶けてしまうホラー映画や、人体変形の極北とも言えるアニメ映画「AKIRA」なども観ましたが、「原生動物」で感じた感慨は、それらホラー演出で感じた恐怖をマイルドにしたものであったと思い至りました。

 これはTS愛好者の嗜好としては物凄くマイノリティです。0.001%くらいでしょう。
 というより、この世に私一人ではないかと思ってしまいます。大げさですけど。

 何しろ「原生動物」エピソードをこれほど偏愛している人間を私以外には知りませんので。

 また、これまた私以外に愛好者をほぼ確認出来ない「集団性転換パニック」も同様に「スリル」「恐怖」寄りです。「ナンセンス」「シュール」も入って来ますが。

 これの原型が「青い鳥」であることはもうお分かりでしょう。

 あちこちで何度も書いている通り、めくり上げられた面堂のスカートの中に描きこまれたスリップの白を視認した瞬間に生涯TSの虜になってしまう運命が確定したのでした。何というフェティシズム!
 いたいけな小学生の想像の遥かに上(?)をいくやりたい放題のビジョン!
 何しろ小学生当時には「女の服」といえば「スカート」形状のものは知っていましたが、それ以上ともなるとあやふやで、バニーガールすら知りませんでした。なので、コメディアンが女装させられてバニーガール姿で出てきた時にやけに恥ずかしがっている意味合いが分からなかったほどです。「女装=スカート」という程度の認識だった訳です。
 ギリギリ「ブラジャー」の存在は認識していました。「ど根性ガエル」や「ドクタースランプ アラレちゃん」でギャグの小道具として出て来ていましたのでね。

 そこにいきなり「ブラジャー+パンティ+スリップ」の「下着女装(+性転換つき)」が叩きつけられたんですからその衝撃を想像していただきたい。


 「青い鳥」で行われている行為そのものは、「ドラえもん」においてのび太が「着せ替えカメラ」を手にした瞬間にはジャイアンやスネ夫を女装させるいたずらを始めたのと同じ「子供っぽいワルノリ」に過ぎません。
 また、現在では絶滅した「スカートめくり」をギャグとして使うそれ(背後にクックロビン音頭みたいにずっこけているラムなどからも明らかです)でした。
 実はこれ「強制的にセーラー服を着せる」(女装させるだけ)というシチュエーションでも機能としては全く同じなんですね。
 それを描くのに「スカートの中のスリップ」まで描きこむかどうかですが、別のエピソードでセーラー服姿に女装した諸星あたるのスカートの縁(ふち)にも白いスリップが確認出来ることから、「単に当時の作画の決まりごと」に従っただけであったみたいです。
 現在ではほぼ絶滅状態にあるらしい「スリップ」ですが、「天空の城ラピュタ」のシータの貫頭衣みたいなワンピースの中にすら見えることを考えると恐らく「(80年代当時の)単なる決まり事」として描いただけであって、フェティシズムによるそれではないのかもしれません。

 ともあれ「男がスカートめくられていや~ん」というのは、「小学〇年生」のギャグ漫画で1年に1回くらいは出て来そうなベタでコテコテな「笑いの取り方」です。何しろ男が女装するだけで最初からある程度笑いになるんですから。
 事実、「うる星やつら3大TSエピソード」と言ってもいい「グローブ対パンツ」は3大TSエピソードの中では一番最初に放送されたこともあって暴走がゆるやかで、面堂は「女装」に留まっています(それによってより強調されたフェティシズムもありますがそれは別の話)。

 繰り返しますが、「男が不思議な力でスカート履かされ&めくられていや~ん」程度のドタバタギャグで構わなかったはずのそれが、「うる星やつら」スタッフに掛かると

「肉体まで女性に性転換させられ、一瞬にして下着までセーラー服姿にされた男がスカートをめくられる」

場面になってしまうのです。
 言ってみれば面堂はこのショーも無いギャグのために「性転換」までさせられるというデタラメなことになっているわけです。
 何というナンセンス!なんという不条理!

 今では某〇コ〇コ動画にも存在する「面堂終子集」なる動画でこの場面ともなると「何で服まで変わってんだよWWW」といったコメントが付きます。
 確かに物凄く不自然でかつご都合主義です。あの「原生動物」ですら服までは変えなかった。

 もちろん、これとて「偶然の産物」である可能性はあります。というより間違いなくそうでしょう。
 何しろあたるの能力は「触った男を女にする」部分こそがメインであって、「女装」はオマケなのです。「女にする」といったって外見からだけでは分かりにくいから、なら女装させちゃえ。なら制服であるセーラー服だ…という安易に安易を重ねた発想であっただろうことは多くの状況証拠があります。

 何しろスカートをめくられた面堂終太郎のリアクションは「いや~だぁ諸星くんったらぁ!」というコテコテの『オカマ声』によるものであって、別に性転換を伴わない「服だけ女物に変化」であっても恐らくは同じリアクションであっただろうものです。
 「変化後」の基準もバラバラで、面堂の様に明らかに男の人格を残しつつも反射的なリアクションだけは女性化しているタイプもあるかと思えば、メガネ一行の様に「生まれつき女であったかの様な立ち居振る舞い」になってしまうものもあり、服装にしても「温泉マークは教師だから女教師スタイル」なのかと思いきや「校長は花魁すがた」になったかと思うと、明らかに部外者である錯乱坊(チェリー)はセーラー服…と全く統一感も法則もあったものじゃありません。

 「女=セーラー服」というのは、物凄く安易です。
 そして、今とは比べ物にならないほど「セーラー服」が性的アイコンであった80年代において凄まじい威力を“偶然”発揮することになる訳です。ここに「スカートの中には白スリップを描きこむ」という「お約束」が加わって…。


 「グローブ対パンツ」「原生動物」は、どちらも原作は前半までしか存在せず、(30アニメの1エピソードに拡大するためとはいえ)後半にわざわざ継ぎ足してまで「強制女装+恥辱」「強制性転換+襲われる」場面まで付け加えたものです。
 それに対して「青い鳥」は唯一原作漫画にも面堂の「性転換+セーラー服」場面があります。

 ただし、あの「スカートめくり」カットはアニメオリジナルであり、その後の温泉マーク、メガネ一行、錯乱坊(チェリー)、校長などを巻き込む「集団性転換パニック」風の味付けや、「女になった面堂を追いかけて画面がフリーズして終了」演出なども同様にアニメオリジナル。
 これはもう、「アニメ版の暴走」と称して構わないでしょう。


 話が長くなりましたが、要するに私は「男が女になってしまう(される)」シチュエーション、もっと言えば「構図」に一番興味があり、極論すればその後の話には余り興味がありません。

 であるからこそ「華代ちゃん」「フォスター」は「ショーも無い理由で性転換+女装」させられる場面でぶっつり終わってしまうのです。
 「後はご自由に想像してくださいね」という訳。
 「性転換+女装」をギャグのオチに使っている訳です。

 対して多くのTSものは、名作の誉れも高い「転校生」などから観ても分かる通り「冒頭」に変身・入れ替わり場面が来て、「その後」を全編に渡って描き、最後には戻ってめでたしめでたし…という展開を辿ります。

 要は「原生動物」「青い鳥」「華代ちゃん」とは真逆な訳です。
 つまり、私…真城 悠の「好み」は世間さま(TSファンの皆さん)とは悉(ことごと)く真逆なのです。

 「変身後」の話は面白くするのはなかなかに難しいです。
 「男から女」とはいえどれだけカルチャーギャップがあるにしても、日常ともなってしまえば遠からず「慣れ」てきます。
 「原生動物」にしたところで、恐らく原始世界(?)に取り残されたあたると面堂の残り一生を描いたとしてもそれほど面白くは無いでしょう。正に「その状況に追い込まれた」瞬間こそが最も輝くのです。「これからどうなってしまうのか」という不安こそが最高のスパイスな訳です。
 「青い鳥」に至っては、青い鳥騒動が解決に向かうことが本編中に明確に示されていますし、仮に収束しなかったとしても竜之介の父ちゃんに触れば男に戻れるんですから「不可逆」ですらない。

 高橋留美子先生が「らんま」で「ライトでキュートでちょっとアブノーマルなセクシャルギャグ」を描くにあたって「可逆変身」路線を選んだのは正に「男から女に変身する」シチュエーションを何度も描けることによるのでしょう。
 それでも「男になったり女になったりする」主人公の体質というシチュエーションそのものにすら刺激が足らなくなって「記憶喪失」にしたり「男に戻れなく」したり、「何年も女のままだったキャラを出し」たりとテコ入れをしたのは皆さんご存知の通り。

 要するに私が狙っているのは「いいとこ取り」だと言いたい訳です。誰も「いいとこ」だと思っていない私だけの価値観による「いいとこ」取りですが(爆)。


 「女の子もの」二次創作「キョン子」や「男の娘」、そして「美少女擬人化」などを見ても「TS」要素を持つとされるそれが、「異形変身の恐怖」や「絵面の不協和音」を希求するのではなくてあくまでも「可愛いもの」要は「快感原則」を求めるそれに変異して来ていると感じます。
 「艦これ」に搭乗する艦娘たちは確かに可愛いです。ただ、「TS要素」は全くありません。「そういうもんじゃない」というツッコミが聞こえてきますが。

 「男の娘」たちの可愛らしさは「女体化面堂」の持つドロドロとした異形変身…いや、「異形変形」…の魅力とは天と地ほども違うものです。

 実は長いことこの「ミスマッチ」に私自身が気付いていませんでした。

 物心つく前から好きだったとはいえ、「原生動物」「青い鳥」でヤラレてからというもの、病的にそれらを求るようになって、そうした要素を持つ物を手に入る限り総ざらいしてきました。ある時期までは。

 ところが徐々に気づき始めます。

「確かにこの作品(マンガ、小説)には男から女への性転換現象が出て来るし、女装もしている。しかしどうしてこんなにドキドキわくわくも、背筋が冷たくなる様なスリルも感じないのだろうか…?」

なんて感想もたびたびでした。近接ジャンルである「入れ替わり」なんて尚更です。

 要するにその辺の「価値観」というか「嗜好」がズレていたんですね。

 イラストレイターさんたちの美的センスは当然バツグンですから、当方の「TSイラスト」の注文に対して「これはちょっと(バランスとか色々)おかしいですよ?」というリアクションになってしまいます。

 それは当然で、私が希求するTSイラストというのはその「ちょっとおかしい」ところこそが最大のポイントな訳です。

 集団強制女装小説「BUGG」にしても、「老若男女が一斉に一種類の衣装を着ざるを得なくなる」というシュールでナンセンスな面白さを狙ったのですが、素晴らしいイラストが付いてすら殆(ほとん)どの読者に共感は得られませんでした。
 エイプリルフール企画での「ウェディングドレスを制服にしている(男性社員含む)部署」みたいな写真企画的なシュールな面白さみたいな感じですね。あの企画は最高は最高だったんですが思い付きは100点満点なのにコスプレのクオリティが低いのが残念でしたけど。

 とにかく、この「ちょっとおかしい」ビジュアルコンセプトというのは当然ながら中々理解されることが無く、仮にされてもバランスを間違うとお客さんは「リアクションに困る」領域になってしまいます。ブログで発表していたバレリーナ女装面堂などは若干行き過ぎていましたね。そういう失敗も込みで楽しいと思うんですが。

 「ちょっとおかしい」ビジュアルコンセプトなるものは実に表現が難しいです。「単なる女装絵(写真)」なのかと言われると違います。比較的女装には寛容な価値観を持っている私ですら、体調が悪い時に「男性バレリーナ」の写真を見るとキツいこともありますし(なんじゃそりゃ)。

 この「男の娘」イラストというのは、見た目は単なる美少女イラストと何も変わらないので、「自称」しさえすれば何でもよくなってしまいます。その為「男の娘」雑誌に於いては不自然に男性器部分を強調するコンセプトのイラストが随分掲載されましたが、あれなどは「方向性を見失って本末転倒している」典型例だと思うのですがどうでしょうか。
 

ご無沙汰しております その2

 投稿者:真城 悠  投稿日:2015年10月 1日(木)17時41分58秒
返信・引用
   閑話休題。
 仕方が無いので、一番リソースが掛からずに表現できる「小説」頼りになるんですけど、いかんせんビジュアルインパクトを文字で説明しようとしてもだらだらと表現を積み重ねるだけでちっとも面白くありません。

 正に「一枚の絵は一万文字に勝る」ですよ。

 敢えて言うならルネ・マグリットとかサルバドール・ダリのシュールレアリズムの絵を一生懸命文字で表現しようとしているようなものです。
 仮に「どういう絵だったのか」を伝えることは出来ても、その初見時のショックとか心理の不安さ、薄気味悪さ、違和感、高揚などは到底伝わらないでしょう。

 「感情」いや「感覚」を「論理」で伝えられる訳がないのです。


 そこで私はちょっと浮気して「賞」に応募してみました。

 某社のライトノベル大賞にかつてこちらのエイプリルフール企画でも物議をかもした「メタモル・ファイト!」を小説化したものを送りつけたのです。
 果たして応募数が少なかったのか何か知りませんが、一次選考を突破しました。今でも公式サイトには私の名前があります。

 格闘ゲーム「ヴァンパイアセイバー」で登場した「敵キャラを男ならば性転換&女装させる」必殺技である「ミッドナイトブリス」をお互いに掛け合う戦い…というコンセプトです。
 もちろん舞台は現代日本に置き換えてあります。

 「メタモルファイター」たちはそれぞれがセーラー服、ブレザー、チャイナドレス、CA制服、バニーガールなどの「メタモル能力」を持って戦い、時には相手を性転換し、時にはされながら経験を重ねていく訳です。

 何とも真剣に考えれば考えるほど頭がこんがらがり、死闘の果てに女子高生の制服同士でお互いのスカートをめくり合い、唇を奪い合うシュールなコンセプトにぶっちゃけた話かなりの自信を持っていました。

 最終選考は残念ながら敗北。
 規約で明かせませんけど、寸評は「誰得」と言う表現もあり、大意は「内容が特殊な作者の嗜好丸出しでついていけない。もっと大衆に受けるモチーフでよろしく」とのことでした。
 モチーフこそある種アブノーマルではありますが、異能バトルとしては王道的な展開だと思っていたので意外でした。
 意図的に重めな筆致にしたのもライトノベルっぽくは無かったかもしれません。

 図々しい話ですが、仮にこれが賞を取ったりしたならば自腹でイラストレイターを雇わなくても済む!などという取らぬ狸の皮算用をしていた訳です。
 結果はかすりもしなかった訳ですが。

 ちなみに現在「メタモル・ファイト!」は「小説化になろう」に全文がアップされていますので興味のある方はどうぞ。ストーリーの続きとなるものも「6」の途中まで公開されています。
 まさかそんな酔狂な方はいらっしゃらないとは思うのですが一応断っておきますとシェアードワールドにする予定はありません。二次創作は制限しませんけど、その設定を本編に取り込んだりは一切いたしません。

 うすうす勘付いてはいたんですが、これを公開したことで愈々ハッキリしたことがあります。

 それは「私の嗜好は受けない」ってことです。

 少なくともTS一般ほどにも受けません。マイナージャンルであるTSの中でも更にマイナーなので。
 感想がほぼゼロなのはまあ…良くあることなんでいいんですけど、世の中に多少はいるであろうと信じていた「お仲間」からのリアクションも皆無。

 新作部分の定期的な供給が途切れた現在のヒット数は実質ゼロ。
 完結を見てすら凄まじいヒット数を誇る伝説の名作がずらり並ぶ中では何ともさびしいお話です。

 「お互いを性転換&女装させることを競うバトル」なんてシュール一歩手前のナンセンスな設定で面白いと思ったんですけど…余り理解は得られなかったみたいです。
 細かいルールも整備したし、「異能バトル」を私なりに研究した成果もつぎ込んだのですが、駄目だったみたい。

 ちなみにどうして私が商業出版された作品を多く生み出した「なろう」世界に脚を突っ込もうと思ったかですが、この頃のトレンドが「異世界転生もの」であるとの情報をキャッチしたからでした。

 しかも「異性転生」…要は現実(?)世界では冴えない男の子だったり、おっさんだったりした主人公たちは「異世界に生まれ変わったと思ったらお姫様になってた!」とか「意地悪な魔女になってた!」とかそういうパターンが物凄く多い訳です。
 その上俗にいう「俺TUEE」もの…何らかの超能力めいたものを最初から持っていて苦戦すらしない。

 つまり、「TSもの」がそれだけで生理的拒否反応をひきおこおす…訳ではないどころか歓迎され、寧(むし)ろトレンドとなっている…ということであるならば手をこまねいている場合ではありません。
 …そう勘違いしちゃったんですなあ…。

 「男が異世界に女の子として生まれ変わる」物語がこれだけ溢れかえっているどころかかなり受けているのに、「性転換させあいバトルなんて気色の悪いものを書くとか何考えてんだ!もっとちゃんと大勢の人間に受け入れられそうなモチーフを書けよ!」と言われてしまったのですから、これはもう決定的です。
 というかまあ、確かに見た目がドギツイですわな(爆)。「女体化」だの「性転換」だの「女装」だのって。確かに「異世界転生」とかの方がソフトではあります。
 何しろあの「ミントな僕ら」の編集担当者は「女装なんて気持ち悪い」と言い放ったそうです。あの絵柄で(!)。それほど深刻なものじゃなくて面白半分なんですけどねぇ…。


 そろそろ結論に入りますが、私が求めていたのは「原生動物」的なるものです。
 色んな小説を書いてきましたけど、一作たりとも狙い通り、思うとおりに表現しきれたことがありません。近いところまで行ったと思えたことはありましたけど。

 そして、「原生動物」ではありませんが、確かにアニメなどにTS要素を持つ物は増えては来ました。
 アニメ「けんぷファー」においては「青年 → 制服少女」への「変身バンク」などという、子供の頃の私に知らせたら狂喜してショック死しそうなものまでありました。
 国民的アニメ「ワンピース」において、「男 → 女」への強制性転換場面が描かれたこともありました。
 TS要素を持つ作品は毎週、いや下手すると毎日の様に刊行され、選ばなければより取り見取りですし、Web上の成人向けコンテンツともなるとこれでもかというほど溢れかえっています。

 しかし、どうしてもあの「ゾワっ!」と来る感覚が無いんですよ。
 幾つも要因は考えられます。
 個別の分析を始めるとまた長くなるので一つに絞りますが、要するに「その人物が物語内できちんと男性としてのアイデンティティを持って描かれている」人物をこそ「性転換」すべき…という「原則」が守られていないことにあるのではないかと。

 だからこそ読者の心は揺れるんですね。

 冒頭でいきなり女体化では「このキャラはそういうキャラなんだ」という目でしか見られません。
 「女体化」なるものがそれだけでぶっ飛ぶほど目新しかった30年前ならいざ知らず、現在にやるからには「演出」が不可欠です。
 18禁TSものにおいて、最初からずっと被害に遭っていた主人公よりも、途中で被害に巻き込まれる「友人」「親友」などのTS場面の方が「TSの醍醐味」を味あわせてくれるのはそういう理由です。

 「ワンピース」みたいにモブキャラを幾ら性転換してみせたところで殆(ほとん)ど何も感じません。私は「ワンピース」には詳しくないのですが、それこそ名のあるキャラを半永久的に女体化させて同時に退場させるくらいのことはやらないと(あくまでTS展開ならってことで)。
 「TSの醍醐味」は「犯されざるものが犯される」ヒリヒリした感慨にあるのですから、そこで「安全圏を確保」してしまっては5メートル下に安全ネットを張ったバンジージャンプもどきみたいなものです。

 別に私は自分の作品を通してお金儲けが狙いではありません。
 一番やりたいことは「自分が満足する作品を作ること」です。
 極論するならば、読者が満足するかどうかすらもうどうでもいいです。何しろ思うが侭(まま)にやっても、一生懸命お客さんのことを考えてやっても同じくらいに受けないし無反応なんですから。
 だったら、自分がやりたいようにやった方がいい。


 長くなりましたが申し訳ありません。

 そういうことで、これからもやりたいようにやります。
 「原生生物」的な要素を全て換骨奪胎し、アップデートした究極の「構図」を求めて邁進(まいしん)します。それこそが本当の本当にやりたいことだったから。

 一つだけ言えるのは、かつての様に毎日丁寧にレスをして、週に2度はトップイラストを掛け変えて…という風には関われないってことです。

 ホームページの整備もしなくてはならないんですが、素人の悲しさであっちこっちにこんがらがりまくったリンクやフォルダを調べているうちに1~2時間経過なんてことはザラです。

 連載停止中の諸作品にしても、半ば自棄糞(やけくそ)で反応を見るために叩き付けた「メタモル・ファイト!」とは違ってきちんと仕切り直して完結まで導きたいのですが、ホームページの見た目が変わらない程度に手を掛ける日が続くことになると思います。

 今も華々しく事業を展開、拡大を続けているあむぁいさんなどを見ていると羨ましいなと思わないことも無いですが、方向性がかなり違ってきたこともあって遠くの綺麗な山を見上げてる感じですね。上手く言えませんが。

 これからは出来たら毎日何かは書きたいです。とりとめもなくなるでしょうけども。

 とにかく、自分の嗜好が「特殊すぎる」ことは知っていましたので、TS作品が押しも押されもしない大ヒットにならなかったらひがんだりはしません。割とマジで。
 しかし、まさか「原生動物的・青い鳥的なモチーフ」好きに「誰一人仲間がいない」とまでは思いませんでした。ま、いないか。
 今も毎日のように「うる星やつら 原生動物」とか「面堂終太郎 女体化」とかで検索を掛けますけど殆(ほとん)ど何も出て来ません。
 凄いと思うんだけどなあ。

 それこそヘンリー・ダーガーよろしく自分一人をお客にこれからは頑張りますよって話です。別に非公開にはしないのでどうぞ覗いてってください。滅多に更新なんて出来ませんけど。

 世の中には「メガネの女性に踏まれるフェチ」なんてジャンルがあって専門のビデオまで出てるんだとか。しかも金ブチメガネとか黒ブチメガネとかに細分化(!)。どう違うのかも良く分からないんですが、とはいえマイナーな趣味嗜好は良く分かります。


 溢れる創作欲求があちこちに歪んだ形で噴き出しまくっているために本当にとりとめが無くなって来てるんですが、長々とお付き合いありがとうございました。

 この数か月間出来ていなかったレスも徐々にして行きますのでよろしくお願いいたします。
 ツイッターでは意味の無いことをぼそぼそ言ってたりします。
 「なろう」ではエッセイも連載しています。TSと殆(ほとん)ど…いや、全く関係ありませんが。まあストレス発散みたいなもんです。

 それではまた数日後に。
 

TSファン及びフリークの皆さんに朗報?です

 投稿者:ふしぎ星!  投稿日:2015年 9月13日(日)09時44分8秒
返信・引用
  本当に久々です!ここ最近殆ど閲覧する暇が無かったので、あれからどうなったのかなぁ・・・と思っていました。

→さぁ~て皆X2さま方!!得ダネ?を仕入れてきました!それは___
(既にご存知の方もいられるとは思いますが)講談社KCイブニング「幼なじみは女の子になあれ」1巻~3巻が現在発売中なのです!!

→これぞ正に性転換やギャグ・ちょいエロ・友情等が盛り沢山な全3巻です!
ただ、1つネックなのは主人公は自分の意思では変身出来ないのと、変身シーンが少ないのが
ちょっと残念な所です。それでも1巻には、変身シーンみたいなのが掲載されています!
もしかしたら、多少好き嫌いがあるかもしれませんが、自分はかなり推しです!!
是非とも拝読の程、お願いいたし申しまする___ではでは♪

P・S ちなみに、ピクシブのサイトに主人公の制服が脱着する画像がアップされていますので
よろしければ、そちらも参照にして下さいませ!
 

(無題)

 投稿者:ts iloveyou...  投稿日:2015年 8月16日(日)09時41分49秒
返信・引用
  お久しぶりです。最近、AT‐Ⅹで放送されている「ビキニ・ウォリアーズ」と言うアニメを観て、「ネットゲームの好きな男の子がゲームの世界でビキニアーマー姿の美少女戦士に変身して活躍するストーリーができそう」と思いました。  

wikiについて

 投稿者:At14  投稿日:2015年 6月30日(火)19時07分5秒
返信・引用
  wikiの「更新履歴メモ」にも書いておりますように、私は本日を持ちましてwiki編集の活動を終了いたします。

理由は、ここ最近実生活がとても忙しくなり、今後さらに忙しくなりそうだからです。

正月に私は、「今年中にWikiの更新を仕上げようと思っております。」とこの掲示板に書き込みましたが、5号からのハンターのページとおかしなふたりのページの更新ができませんでした。
真城さん、申し訳ありません。
 

レンタル掲示板
/199